仕様
- 基本は乾電池駆動。単三アルカリ乾電池×4本。電源電圧は(4.0~6.0V)。
- PCとUSB接続した場合は、USBバスパワーを優先する。
- 電池ボックスにeneloopなどの二次電池を入れた場合(電源電圧4.8V)でも対応できるようにするが、充電はサポートしない。 (どうしても充電したい人は、外付けでUSBバスパワー出力付きの二次電池パックを使ってもらう。)
回路構成
- USBバスパワー(VUSB=+5V)と電池電圧(VBATT=+6V)をダイオードタイ接続しようと思ったが、電池電圧が5Vより高い場合はUSBから電流が来ないので、MOSFETによるスイッチが必要。
- 上記の対策でUSBバスパワーから5Vを得ている場合に電池側に挿入したMOSFETをOFFするように構成したとする。 MOSFETがOFFであってもMOSFET内のボディダイオードがあるため電池電圧が4.5V未満くらい(正確にはVUSB-VF未満)だと VUSBが電池に逆流してしまう。一次電池の場合はまずいので、 MOSFET2個を背中あわせに直列することでボディーダイオードの向きを相反させ逆流を防ぐ。
- どんな電圧が来ても安定的に5VをCPUに供給できるようにスイッチングレギュレータを入れる。総合的に判断してMAX8815を選ぶ。
メーカー IC型名 特徴 コスト Linea Tech. LT1172 DIP8, 1.25A, 外付け回路複雑 × Analog Dev. ADP2504 3mm角10P, 1A △ Maxim MAX8815 3mm角10P, 1A, 外付け回路簡単 〇 Maxim MAX8727 3mm角10P, 3A, 外付け回路複雑 ◎ Maxim MAX8715 TSOP8P, 1.8A, 外付け回路複雑 ◎ - ショットキダイオード比較。IF=1Aだと心もとないのでSS2040FLがよさそう。
メーカー 型名 特徴 コスト Sanyo SB1003M3 VF=0.5V, IF=1A 〇 Panjit SS2040FL VF=0.4V, IF=2A △ - MOSFET比較。|VGS|があまり小さくなくてRonが小さいのでFDS4935Aを使う。
メーカー 型名 特徴 コスト Fairchild FDS4935A Ron=35mΩ, VGS(th)=-1 to -3V 〇 IR IRLML6402 Ron=50mΩ, VGS(th)=-0.4 to -1.2V 〇
メカ的実装コンセプト
- 電池ボックスは基板マウントにせず、シャーシに固定する。
- 電池ボックスからのリード線に電源コネクタを圧着。このコネクタを基板と接続する。
- 電池ボックスはシャーシ下面に向かって開口させ、電池交換をしやすくする。
USBバスパワーの注意点
USBの規格上、デフォルトでは100mAしか取れないことになっている。最大の500mAを得るためにはホスト側ドライバーとネゴシエーションをしなく てはならない。しかし、巷には絶対にネゴシエーションなどしているわけがない比較的電力消費の大きいUSB電源利用製品(扇風機とかマグカップウォーマー とか)がいくらでもある。つまり実際には厳格に100mAで制限をするホストはなく、事実上500mAまで「取れてしまう」ケースがほとんどということな のだろう。電流を制限するようなホストへの作り込みはかえってコストアップになってしまうから。